会社の資金調達方法、ファクタリングの前に考えたい資金調達方法

握手

ファクタリング実行でネックになるのは、やはり2社間ファクタリングにおける高額な手数料でしょう。

個人事業主でも実行できるハードルの低さ、売掛け先に通知しない点が魅力のファクタリングですが、別の方法で金利を抑えられるのであればそれに越したことはありません。

別の方法というと、銀行融資やビジネスローンなどがまず思い浮かぶと思いますが、実は「債権流動化」と呼ばれる資金調達手法は、ファクタリング以外にもいくつか存在します。

今回は、それらをまとめて事業者向けの資金調達手法とし、ファクタリングと比較して「どういう人に向いているのか?」という点を解説していきます。

ファクタリング以外の資金調達方法にはどんなものが?

まず、ファクタリング以外で「債権」を現金化する手法をメインに解説していきましょう。

大まかに分けると、資金調達手法は「債権流動化」「融資」に分けられます。具体的には以下のようなものが挙げられるでしょう。

債権流動化(売掛債権を使って資金調達する)
・売掛債権証券化
・売掛債権担保融資(ABL)
・電子債権(でんさい)

融資(無担保、あるいは債権以外を担保に資金調達する)
・ビジネスローン(事業者向け融資)
・銀行融資(ポピュラー)

そのほか、個人投資家から資金を募る「ソーシャルレンディング」などの手段もありますが、ここでは割愛します。

売掛け先への通知や手数料などから比較

上記のファクタリングの代替となる手段として、売掛け先への通知や手数料などから比較すると以下のようになります。

種類 手数料(金利) スピード 売掛先への通知
2社間ファクタリング 8%~30% 即日 不要
3社間ファクタリング 1.5%~5% 最短2日 必要
売掛債権担保融資 5%~15% 5日~ 不要なものも有
売掛債権証券化 債権によって変動 1週間~ 不要なものも有
でんさい 都市銀行:1.5%~3%
普通銀行:2%~3.5%
最短3日 必要
ビジネスローン 8%~18% 最短即日 不要
銀行融資 0.9%~3.5% 経営状況による 不要

売掛債権を使った資金調達方法

ファクタリングは債権を買い取ってもらう手法ですから、代替手段として真っ先に考えるべきなのは「他に債権を現金化する方法」です。

これは「債権流動化」と呼ばれており、大きく以下の3つに分かれます。

  • 売掛債権現金化(ファクタリング)
  • 売掛債権担保融資(ABL)
  • 売掛債権証券化

今回は、ファクタリングを除いた2つの方法について解説していきましょう。

売掛債権担保融資(ABL)

その名の通り、売掛債権を担保にして融資を受ける方法です。
Asset Based Lending(アセット・ベースト・レンディング)、略してABLとも呼ばれており、債権の状況やキャッシュフローをモニタリングしつつ、柔軟に行われる債権流動化手法のひとつです。

ファクタリングと同じく、以下のようなメリットを持ちます。

  • 売掛け先への通知や承諾が不要なものも
  • 100万円程度の小口から融資可能
  • 債権の信用リスクにより、金利設定が柔軟に行われる

ファクタリングとの違い

ファクタリングとの違いは、以下のような点が挙げられます。

  • 法律で金利上限が定められており、手数料はファクタリングよりも安い
  • 売掛金の状況次第で、売掛金額以上の融資を受けることも可能
  • 返済が進めば金利負担が減る
  • 即日融資ではない(ある程度時間はかかります)
  • 売掛先よりも自社の信用が重視される(審査が少し厳しい)
  • 融資という特性上、個人事業主は実質利用不可

ファクタリングが買い取り、ABLが融資という違いで、これだけの差が出ます。
上記をまとめると、以下のような事業者に有効な手法といえるでしょう。

  • 「即日現金化」ほどのスピードは求めていない
  • ある程度自社と債権の信用力がある
  • 売掛先への通知は避けたい

売掛債権証券化

売掛債権証券化とは、SPVと呼ばれる特定目的法人に売掛債権を譲渡し、資金を受け取る方法です。

SPVを挟むことにより、会社個人で現金化できない債権を譲渡し、SPVから譲渡代金をもらうという流れを簡単に実行できるのが特徴です。

ファクタリングとは仕組み上大きく異なりますが、融資ではないという点が共通しており、そのため買い取り査定も、ファクタリングと概ねおなじようなものと考えてかまいません。

ファクタリングとの違い

証券化するという都合上、手続きから現金化には1週間前後を要することがほとんどです。また、金利上限は定められていないものの、証券化にあたってのリスクがファクタリングよりも大きくないため、金利は抑えられる傾向にあります。

よって、ABLと同じ以下のような事業者に向いている手法といえます。

  • スピードはそこまで求めない
  • 金利手数料を抑えたい

上記2つの他に、売掛債権を現金化する手法として「電子債権」もおすすめです。

電子債権(でんさい)

電子債権は、企業間の債権譲渡を、PCやFAX、銀行手続きを使ったネット経由で行える手法です。ちなみに、「でんさい」「電子債権」「電子記録債権」はすべて同じ意味の言葉です。

「電子債権」の仕組みとシステムは、全国の金融機関が100%出資することで誕生したもの。そのため、信頼性が他の手法と比べて非常に高いのが特徴です。

自社と売掛先がお互いに「でんさいネット」に登録することで、債権の譲渡や割引がPCやFAXを通して自動で行えるのもメリット。

複数の取引先とも、でんさいを通せば新しく契約を結び直したり、新たに口座を作ったりする必要もありません。

また、割引率(年率)も非常に安く、おおむね以下の表が相場になります。

金融機関 割引率(年率)
都市銀行 1.5~3.0%
普通銀行 2.0~3.5%
信用金庫 2.5~4.5%
信用組合 3.5~5.5%

ファクタリングとの違い

ただし、でんさいは売掛先に通知する必要がありますので、通知しても問題ない事業者向けの手法になっています。さらに、形式としてはあくまで「債権を担保に融資を受ける」ものですので、もし売掛先が倒産してしまった場合、返済義務が発生してしまうのもデメリットです。

総じて、以下のような事業者に向いている手法といえます。

  • ファクタリングより信頼性の高い手段を利用したい
  • 売掛け先に通知しても問題ない
  • 手数料を抑えたい
  • 簡単かつ便利に債権を譲渡したい

なお、「でんさい」には、他に「でんさいファクタリング」も存在します。ここでは割愛しますが、ファクタリングと似たような資金調達手法ですので、こちらも検討してみると良いでしょう。

では、続いて融資による資金調達手法を解説していきます。

売掛債権を使わない資金調達方法

ビジネスローン

もし、融資を受けたことがなく、1000万円未満の資金調達であれば、ビジネスローンの利用も検討してみましょう。ビジネスローンは、金利が年率8%~15%と2社間ファクタリングと比較して安くなる傾向にあります。

もともと、銀行融資を受けられない会社向けの事業のため、比較的融資が受けやすくなっています。また、貸金業登録が必要なので、ファクタリングほど悪徳業者の入り込む余地が少ない市場でもあります。

ファクタリングとの違い

ファクタリングは、売掛金次第では1億円の調達も可能ですが、ビジネスローンでは1000万円を超える金額の調達は難しいです。あくまで小規模事業者向けのサービスが多く、そういった点で、ファクタリングの完全な代替手段としての活用は少々難しくなっています。

状況にあった方法でキャッシュフローの正常化を

ファクタリングより手数料を安くするには、利息制限法が適用される「融資」での調達を第一に考える必要があります。

融資であれば、「売掛債権担保融資(ABL)」は、売掛先に通知しない業者もありますので、「売掛け先に知られたくない&手数料を抑えたい」という事業者にはおすすめといえるでしょう。

逆に、売掛け先に知られてもいいのであれば、金融機関が100%出資する債権譲渡システム「でんさい」の利用をおすすめします。

ファクタリングがいいのか、他の手段がいいのかを比較検討し、よりキャッシュフローを正常化できる手段を選んでいきましょう。

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筆者: GOODファクタリング編集部

はじめてファクタリングを利用されたい方のために、どこよりもわかりやすいファクタリング情報の発信を心掛けています。

編集部では、保険や投資、キャッシングに詳しい金融のスペシャリストが在籍しており、最新の情報を発信できるよう日々情報を収集しています。

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