介護報酬債権の買い取りについて

契約

国保・社保から受け取る介護報酬債権は、通常60日程度で入金されるのが普通です。実は、この債権を外部業者に買い取って貰うことで、より早く現金化できることはご存じでしょうか。

この手法は「ファクタリング」と呼ばれており、金融庁も推奨する資金調達手法として、中小企業を中心に幅広く利用されています。

利用シーンとしては、「従業員に賞与を贈りたい」「器具の導入資金が必要」「開業したてで運転資金がない」など。

この「ファクタリング」にはさまざまな種類がありますが、今回紹介するのは「医療ファクタリング」のひとつ、「介護報酬債権ファクタリング」と呼ばれるものです。

今回は、この介護報酬債権ファクタリングについて特徴やメリットを詳しく紹介し、銀行融資や医療機関債など従来の資金調達法との違いについても触れていきます。

介護報酬債権ファクタリングを利用するメリット

前提として、ファクタリング自体は「融資」ではなく、あくまで「買い取り」にあたります。したがって、申込者の返済能力の有無は重要視されませんし、負債が残ることもありません

債権さえあればスムーズ、かつ低いハードルで調達できますので、医療業界でも幅広く利用されているのです。

先ほど、「債権をすみやかに現金化できる」のがファクタリングのメリットだと述べましたが、以下のように他にも多くのメリットがあります。

  • 申し込みから支払いまでのスピードは最短で数日〜
  • 担保・保証人不要
  • 借り入れではないので与信に影響せず、バランスシートもスリム化される
  • 開業間もない、与信がなくても申し込み可能

それでは、詳しくチェックしていきましょう。

申し込みから支払いまでのスピードは最短で数日〜

事業者にもよりますが、早ければ申し込みから最短2日程度で入金されるところも少なくないようです。融資など従来の調達方法とくらべて優れている点はここで、介護報酬の入金を通常より50日以上早めることができるのです。

担保・保証人不要

申込者に返済能力がなくてもかまわないため、担保や保証人を用意する手間もありません。ここもファクタリングのハードルが低い理由となります。

開業間もない、与信がなくても申し込み可能

返済能力がなくても問題ない、ということは、融資条件によくある「3年以上純損益が黒字」などの条件がそもそも必要ないということです。

したがって、たとえば開業間もない時に運転資金が必要になった、など融資が受けられない状況でも申し込むことが可能です。

借り入れではないので与信に影響せず、バランスシートもスリム化される

ファクタリングは、会計上では「流動負債である売掛金を預金扱いにする」だけなので、負債にならないどころか、貸借対照表(バランスシート)をスリム化するというメリットもあります。

上記4つのメリットが、ファクタリングがよく利用されている理由にもなります。

では、続けて気になる「手数料相場」もチェックしていきましょう。

介護報酬債権ファクタリングの手数料相場は?

さまざまな会社をリサーチしたところ、介護報酬債権ファクタリングの手数料相場はおおむね「2%〜6%」です。

診断報酬債権ファクタリングが「1.5%~5%」であることを踏まえると、少々高くはなりますが、ファクタリングでポピュラーな「2社間ファクタリング」は初回15%~25%が基本なので、かなり有利な条件ではあるといえるでしょう。

なお、介護報酬債権ファクタリングを利用する際の注意点として、手数料分を差し引いた料金が100%前払いされるわけではありません

ファクタリングには掛け目が設定されており(だいたい80%~90%)、この掛目はファクタリング会社が代金を無事回収できた時点で支払われます

つまり、仮押さえ金という扱いですね。この掛目割合が高いかどうかも、ファクタリングを申し込む際には注意して見ておきましょう。

では、ファクタリングの「メリット」「手数料相場」など、特徴については大まかに掴めたかと思います。

それでは、次に「他の資金調達手法と比較してどう優れているのか」についても解説していきましょう。

銀行融資や医療機関債とはどう違うのか?

ファクタリングの他に、ポピュラーな資金調達手段としては「銀行融資」「医療機関債」などがありますね。

この2つと比較して、ファクタリングにどういった特徴があるのかも具体的に解説していきましょう。

銀行融資との違い

銀行融資とファクタリングの最大の違いは、「融資」か、ただの「買取」か、という点です。

ファクタリングは「債権を買い取ってもらい、同額を入金してもらう」調達手法。会計上では「負債」にならないうえ、むしろ流動負債である売掛金を預金として計上できるメリットがあります。

加えて、ファクタリングを実行するうえで重要なのは、「売掛金が正しく入金されるかどうか」という点です。

つまり、申込者にお金を貸し出すわけではないので、返済能力の有無は審査に影響せず、どちらかというと債権の支払側の与信が重要視されるのです。

ですから、たとえば起業したてであっても、医療機関であれば支払人は国保・社保になりますので、問題なくファクタリングを実行することができるという仕組みです。

一方で、銀行とは違い、以下のような注意点もあります。

  • 手数料(金利)はファクタリングのほうが高い
  • ファクタリングは2~3ヶ月先の債権までしか買い取ってもらえない

前者は、「融資を受けられそうor受けても問題ないなら、ファクタリングを利用するメリットは薄い」ということになります。同じ額を調達するなら、金利の低いほうがキャッシュフローに優れているのは言うまでもありません。

加えて、後者は「ファクタリングが長期的な資金調達に向かない」ということになります。ファクタリングは、いわば「超短期融資」と考えられるため、そもそも長期的な資金調達のための手段ではない、と解釈しましょう。

医療機関債との違い

医療機関債とは、証拠証券を発行することで、投資家から直接資金提供を受けること。

地域住民や患者、職員などに対して発行できるのが特徴で、金利は1.5%〜2.5%。低利率で資金調達ができ、無担保・無保証なのもメリットです。

一方、「過去三年以上の純損益が黒字」など、発行基準は指針として定められています。このあたりは銀行融資と同じです。

ただし、「多額の調達には不向き」であることと、「募集に時間がかかるため素早い資金調達はできない」のがネック。

まとめると、ファクタリングと比較した際は

  • 金利が安い(1.5%〜2.0%)
  • キャッシュフローに優れる

点で勝っていますが、以下の点ではファクタリングのほうが優秀です。

  • 申し込みから最短数日で入金される(医療機関債は時間がかかる)
  • 申込者の与信が重要視されない(医療機能債は申込者の与信が必要)
  • 負債に計上されず、バランスシートがスリム化

上記のように、銀行融資と医療機関債はどちらもすぐれた資金調達手法であるものの、ファクタリングと比較すると一長一短です。現状にあった手段を選ぶのがベターでしょう。

最後に、ファクタリングがどうやって実行されるのかについても見ていきます。

介護報酬債権ファクタリングの仕組み・流れは?

介護報酬ファクタリングの流れは、以下のとおりです。

  1. 国保・団体への請求書をもとに、ファクタリング会社へ申し込み
  2. 介護報酬債権(介護保険給付債権)の譲渡を国保・団体へ通知
  3. ファクタリング会社へ債権が譲渡される
  4. 申込者へファクタリング会社が入金を支払う
  5. 支払期日になると、国保・団体がファクタリング会社へ直接支払う

申し込んだ側がやるべきことは、このうち「申し込み」「債権譲渡通知」のふたつ。

申し込む際は、ファクタリング会社側から提示された書類(債権の存在を証明するもの)を揃えておくようにしましょう。

特に介護報酬債権は、民間企業と違って支払元(売掛先)が国家ですから、ほぼ与信に問題はないとみなされます。

したがって、審査自体はスムーズに完了し、速やかに入金されることがほとんどです。

まとめ

介護報酬債権を買い取って現金化する「ファクタリング」には、以下のようなメリットがあります。

  • 申し込みから支払いまでのスピードは最短で数日〜
  • 担保・保証人不要
  • 借り入れではないので与信に影響せず、バランスシートもスリム化される
  • 開業間もない、与信がなくても申し込み可能

介護報酬債権ファクタリングの手数料相場は2~6%。これは、同じ医療ファクタリングの一種である「診断報酬債権ファクタリング」の1.5%~5%と比べて少し高いものの、ファクタリング全体から見ればかなり割安です。

このような特徴を持つファクタリングですが、「銀行融資」「医療機関債」と比べた場合、やはり融資や医療機関債のほうが金利は低く、長期の資金調達は融資のほうが向いています。

一方、負債に計上されない、開業したてでも問題ない、無担保・無保証など、ハードルの低さとスピード感ではファクタリングが圧倒的にすぐれています。

総じて、介護報酬債権ファクタリングは「短期・スピード」を要する状況ではぜひ利用すべき手段といえます。

ファクタリング申し込み時にはリサーチをしっかり行い、キャッシュフローを改善していきましょう。

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筆者: ファクタリング編集部

はじめてファクタリングを利用されたい方のために、どこよりもわかりやすいファクタリング情報の発信を心掛けています。

編集部では、保険や投資、キャッシングに詳しい金融のスペシャリストが在籍しており、最新の情報を発信できるよう日々情報を収集しています。

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